釉薬について

ご覧いただきありがとうございます。

 

よく、お客様や陶芸を勉強されている方から釉薬について聞かれることがあります。

 

私自身、まだまだ勉強中でお答えするのも大変恐縮なのですが、釉薬のこともブログにて少しご紹介したいと思います。

 

残念ながら私は調合や焼き方をすべて公開することはしない方針です。すみません。

(最近では調合例なんかもたくさんネットにアップされている作家さんもいらっしゃいますので是非調べて見てください。)

 

ですが、基本的な知識や経験を少しでもシェアできれば、と思っております。

 

私の釉薬についてよく聞かれるのが、「何を入れたらこの色が出るのですか?」ということです。

 

多分、色を出すための呈色剤(ていしょくざい・色をつける物質)のことと思いますのでそう解釈してお話しします。

 

まず、釉薬に含まれる呈色剤には様々な金属の粉が使われています。

 

陶芸家が一般的によく使う金属は銅、鉄、コバルト、マンガンといった感じではないでしょうか。

 

私がレギュラーで使っている釉薬には、ターコイズは酸化銅、あずき色はニッケル、ブルーレインは銅とニッケル、イエローは酸化第一鉄を使用しています。

 

ですが、単純に酸化銅を基礎釉の中に入れたからといって絶対にターコイズブルーになるというわけではなく、むしろ基礎釉の中に何が入っているかがとても重要になってくるわけです。

 

逆に、基礎釉で色味や質感が全然変わってきます。

 

しかも、焼き方や温度によっても全然違い、釉薬の微妙な厚みによっても焼き上がりは随分変わってきます。

 

このように、決して単純ではないとても奥の深い世界です。

 

なので、私を始め、世の中の陶芸家と呼ばれる方々は少しでも理想の釉薬に近づけるよう、日夜研究されているのだと思います。

 

でも、必死に理想に近づくためだけに必死に努力しているのかというとそうではなく、時にはただただ興味のためだけに楽しんでいることも多いです。(少なくとも私は、ですが…。)

 

なので、釉薬に興味を持たれていて今から勉強を始めようかと思っている人は、出来上がりだけにフォーカスせず、ぜひ研究そのものを楽しんでください。